楠風荘の家 着工までの経緯

ここでは、着工前の図面の決定などの経緯を紹介します。

平成16年4月下旬頃
敷地の購入。ここからすべてが始まりました。

平成16年5月上旬頃
当該地の法規制等を役所にて調査。(用途地域、指定建蔽率・容積率、接面道路の法区分、防火地域等)

平成16年5月上旬頃
敷地に建っていた古家の解体。

平成16年5月中旬頃
地盤強度の調査。ここでは小規模宅地で主に行われているスウェーデン式サウンディング試験を採用しました。

平成16年5月中旬頃
SS試験の結果を受けて地盤改良方法を検討。ここでは湿式柱状改良を選択しました。

平成16年5月中旬頃
この分譲地の販売を委託している業者との話合いの結果、しばらくフリープラン分譲地としての売出しを決定。

平成16年5月中旬頃
フリープランでの販売中、いつでも建売方式に変更できるようにPLAN図を作成開始。(その前に現場の隣家の窓位置等をチェック<隣家と窓の位置が重ならないように>)

平成16年5月中旬頃
まずは西面・南面道路の角地なので建蔽率を70%(角地緩和)として考え、2Fか3Fかの検討。家に遊びの部分を取り入れたいので、3Fに決定。

平成16年5月中旬頃
次は設計コンセプトの検討。私の好きな「シンプルモダン」を軸に。交通量の多い幹線道路に面しているために、プライバシーを考慮。しかしながら採光に恵まれている環境なのでそれも考慮。そんなことから、大きな中庭を設け、そこから採光を取り、道路面にはあまり窓を取らないことにしました。それらをふまえ、コンセプトを「外観は閉塞的だが中は開放的でシンプルモダンなキュービックな家」に決定。

平成16年5月中旬頃
次は構造方法の検討。3Fにしたこともあり敷地に余裕があるのでビルトイン車庫(ビルトイン車庫を取るとどうしても構造的スパンが大きくなるのでPLANによっては構造方法が限られてしまいます)は無しに。そして、最近の鋼材の異常なまでの高騰。それらから、構造方法を「木造軸組(在来)工法」に決定。(個人的にも好きな工法です)

平成16年5月下旬頃
PLAN図の作成開始。慣れているので簡単に出来そうに思われがちですが、1件1件、条件が違うのでこれが1番時間が掛かります。特に今回は今までやってみたかったが、施主の希望等により出来なかったことをしたかったので、なおさら時間が掛かります。

平成16年6月上旬頃
販売業者との再度の話合いの結果、建売方式に変更。

平成16年6月上旬頃
PLAN-1、完成。このPLANは道路面に一切窓が無いながらも、中庭から十分な採光が得られるPLANでした。我ながら、チャレンジ的な図面に仕上がりました。販売業者からも賛否両論頂き、採用か否かを決めかねていました。その時、恥ずかしながら法規制を見逃していることに気づきました。それは3Fなので3F道路側に消防用の代用進入口(簡単に言えば、窓)が必要だということです。よってこのPLANはボツ。

平成16年6月中旬頃
その後、PLAN-1をベースに改良に改良を重ね、最終図面を決定。この時既にPLAN-5になっていました…。

平成16年6月下旬頃
最近、TV等で住宅購入者の不安を煽る様な、欠陥住宅等が報じられているのを受け、購入者により安心していただく為に、国が数年前に施行した品確法による性能表示制度(簡単に言えば、家の通知表)を受ける事にしました。この制度、基本的には確認申請どおりの建築が行われればOKなのですが、建築基準法上の行政による検査に比べ、国から指定を受けた民間業者が、それよりも細かく且つ購入者の立場で検査するので、検査時の見落としも少なく、法では定められていない様なところまで細かくチェックするので、合法な建築物でも合格しない場合があります。また、これには設計(図面)と建設(施工)の2種類有り、どちらにも合格していないとあまり意味が無いものです。(最近、性能表示の実施を謳い文句に設計だけを受ける業者も存在します。だからと言って違反建築をしている訳では無いようですが、それだけでは図面どおり施工されているかは確かめようが無いので、私個人的には意味の無いように思います。

平成16年6月下旬頃
確認申請及び設計性能評価の申請書類の作成開始。

平成16年6月下旬頃

確認申請書及び設計性能評価の申請。

平成16年7月上旬頃

各仕様を決定。(外壁仕上げ、内装材、住宅設備等。この物件は準防火地域に属するので準耐火構造にする為の部材も)

平成16年7月上旬頃

建築確認済証を取得。

平成16年7月上旬頃

設計性能評価書を取得。引き続き、建設性能評価を申請。

平成16年7月中旬頃

当該地の地盤改良を実施。

平成16年7月下旬頃

本体工事、着工。

以上の事は、住宅購入者(特に建売住宅購入者)にはあまり知られていない部分です。ですが、非常に重要な部分です。

これから住宅を購入される方、建築される方等に参考にして頂けると幸いです。